少し前の話ですが、「とうとうこんな本まで出たんだ!」と驚いた一冊があります。
その本とは・・・ 商用OKなあみぐるみの本 です。
私はまだこの本を購入していないのですが、少しだけ中身を見せていただきました。
そしたら、びっくり…!
「えっ、こんな可愛いあみぐるみまで編み図を公開しちゃうの!?」
「しかも、作ったものを販売してもOKなんて…作家さん、なんて太っ腹!」
思わず何度も読み返してしまいました。
そして、しっかりとこんな一文が。
※掲載作品は商用利用OK
掲載作品はすべて、ネットやバザーなどでの個人販売が可能です。
ただし、企業を通じた大量販売や、YouTube・編み物教室などでの教材利用はご遠慮ください。
ちゃんと書いてある…!
売ってもOK。でも、作り方を動画で公開したり、教室の教材にしたりはNG。ルールがきちんと明示されているのって、ありがたいですね。
編み物が広がるのはうれしい。でも、ちょっとだけ気になることも。
最近はTikTokやInstagramなどでも、編み物の投稿をたくさん見かけるようになりました。
若い世代の挑戦も増えていて、編み物好きとしてはうれしい限りです。
ただ、ちょっとだけ気になる場面もあります。
たとえば、完成品だけを紹介していて、元になった本や作家さんの名前が書かれていない投稿。
販売しているわけじゃないし…と、悪気があるわけではないのだと思います。
でも、SNSという「たくさんの人の目に触れる場所」で紹介されると、それを見た人が「この人のオリジナルなんだ」と誤解してしまうことがあるんです。
実際、「あれ、このデザイン見たことあるような…?」と、ちょっとモヤっとすることも正直あります。
そして私自身、もし自分の作品が誰かのオリジナルっぽく紹介されていたら……
絶対にイヤです(笑)。しばらく立ち直れないと思います。
だからこそ、たとえ販売目的でなくても、出典や作家さんの名前を添えることは、とても大切な思いやりだと感じています。
「じゃあ、自分でデザインすればいいの?」というあなたへ。
著作権が心配なら、「最初からオリジナルを作ればいいのでは?」
そう思う方もきっといると思います。それはとても健全で、前向きな発想です。
でも、ここでひとつ注意したいのが──
「知らないうちに、誰かの作品に似てしまう」ことも、十分ありえるという点。
私たちが“ひらめいた”と思っていても、
すでに世に出ているデザインと似ていた場合、それは「偶然」では済まされないこともあります。
そこでおすすめしたいのが、自分の作品の写真をGoogle画像検索してみること。
見比べて「あ、似てるかも…」と思ったら、潔く方向を変えるのがベターです。
ちょっと悔しいけれど──デザインの世界は“早い者勝ち”の側面が強い。
先に発表していた人のほうが、やっぱり「オリジナル」として認識されます。
自分の表現を育てるためには、まずは「すでにあるものをよく観察すること」から。
そこに少しだけズラしを加える、別の角度を足してみる……
そうして少しずつ、あなただけの表現が形になっていくはずです。
だから私は、「基礎」が大事だと思っています。
アイデアを形にするには、まず「自分で編み出せる力」が必要です。
そのために私が始めたのが、「あみぐるみたまご修錬場」というシリーズ。
初心者さん向けに、地味だけど大切な編み物の基礎を、できるだけ丁寧に紹介しています。
私自身、最初は家族から少し教わった程度で、教室には通わず、ほとんど独学でした。
気になった本は片っ端から読み込み、編み図の記号がどんな法則で成り立っているかを、まるで数式のように分析してきました。
この修錬場では、そうして見つけた“土台の技術”を、やさしく、わかりやすく伝えていきます。
もちろん、私自身が使っている特殊なアイディアや応用技は公開していません。
でも、「この基礎をどう広げるか?」は、あなたの自由。
その中から生まれていくものこそが、あなた自身のオリジナルになると信じています。
最後に。
今は「商用OK」の本も増えて、編み物を楽しむ自由が広がってきました。
だからこそ、ほんのひとことのリスペクトや、小さな心配りが、とても大切になってきていると思います。
「作ること」を楽しみながら、
「伝えること」も、ちょっとだけ丁寧に。
そんな風に、編み物の世界がやさしく広がっていきますように🧶
ちなみに、私の作品や修錬場の内容は、Instagramでも紹介しています。
ショート動画で気軽にのぞけるので、よかったら覗いてみてください🪡
▶ @occultAm_amigurumi
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