8.新たな約束
カエル女の悲鳴を聞き、カエル男が館の奥から急いで駆けつけた。彼女を見つけると驚き、すぐに支えた。「どうしたんだ、大丈夫か?」と心配そうに尋ねるカエル男に、カエル女は荒い息を整え、震える手で鏡を指さす。「あれ…」
カエル男もその方向を見やると、不気味に輝く鏡があった。鏡には謎めいた文字が浮かび上がっている。彼は驚き、「これは…何だ?」と声を震わせた。
鏡にはこう記されていた。「驚かせてすまない。きれいにしてくれて感謝している。どうか私を、かつての立派な館に戻してほしい」
カエル女はしばらく文字を見つめたあと、カエル男に目を向け、ため息をついた。「ここを私らの巣にしようかと思ったけど、無理みたいやな…」と苦笑した。カエル男もうなずき、「そうだな。俺たちだけじゃ力不足だ。他にも誰かを探した方がいいかもしれない」と言った。二人は鏡に向かって、「お館様、できる限り協力します」と返事をした。
私は彼らの決意に感謝した。これでようやく、このみじめな状況から抜け出せるかもしれない。かつての賑わいが戻るという淡い期待が浮かんだ。しかし、ふとカエルたちに目を向け、不安が胸をよぎる。彼らの協力がどんな形で現れるのだろうか…。(第一話完)
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