5.招かれざる居住者
カエルたちが池から上がり、新しい住処を探し始めたとき、彼らが真っ先に目をつけたのは…そう、私だった。やめてくれ。かつてはメイドたちが忙しく、多くの人々を迎えていた場所だ。確かに、数百年、人は住んでいない。しかし、奇妙なカエルたちの新居になるなんて、考えたくもなかった。
私が慌てる中、カエルたちは意気揚々と館へ向かってきた。扉が開き、二匹のカエルが足を踏み入れる。彼らが目にしたのは、かつての栄光とは程遠い、荒れ果てた館だった。ホコリが舞い、壁はひび割れ、家具はくたびれている。
それでもカエルの男は動じることなく、昼寝に最適な椅子を見つけ、そのまま体を沈めた。「まあ、これで十分だな。」そう言って、すぐに眠り始めた。一方、カエルの女は館の荒廃に心を痛め、「なんでこんなことに…」と嘆きながら、少し考えた後、どこからともなくエプロンを取り出し、きゅっと締めた。
彼女はちらっとカエルの男を見やり、「…まぁ、無理に手伝わせんでもいいか。」と呟き、掃除を始めた。彼女の心には、この館を再び美しくする使命感が芽生えていた。
カエルたちが活動を始めるのを見守りながら、「どうしてこうなったのか…」と困惑しつつも、なすがままになるしかなかった…。
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